本プロジェクトの設立主旨

 我が国における里山は、統計上は天然林(天然生林)とされていますが、実際は、数百年以上も人が燃料等の資源として使ってきた「人が作った林」(二次林)です。日本には、多種多様な樹種が混在する広葉樹林が針葉樹人工林と同程度の広大な面積を構成しており、木材として利用可能なサイズと質の樹木を蓄積しています。しかし、これまで家屋の内装や家具用材の大半を輸入に頼ってきたことに加え、里山林は主に燃料として使われてきたことから、大木になった今も利用されずに放置、あるいは安価なパルプ材となっているという課題が浮き彫りになっています。また、近年は、里山の荒廃が進む一方、輸入材の高騰への業界の不安があることから、国内の広葉樹を用材として積極的に使うことが重要視されており、それに賛同する企業や地方行政、森林組合も増加傾向にあります。
 これらのことから、これまで流通してこなかった里山材を伐出し、適正な価格で販売することから始めるべきと捉えます。我が国における広葉樹林管理や市場の課題について理解するとともに、広葉樹のもつ多様な用途開発と価値向上、また、ビジネスとしての利用促進を目指すため『国産広葉樹活用プロジェクト』を設立いたしました。里山植生及び木材利用の専門家として、黒田慶子(神戸大学名誉教授、Aorboreta合同会社)がプロジェクトリーダーを務め、神戸大学が学術面の検証、株式会社Andecoによる電子タグの供給を担当します。さらにカリモク家具株式会社、Share Woods、神戸私有林研究会の多様なメンバーが参画しています。関連分野の企業や研究者ととともに、HP上で情報発信を随時行ってまいります。

「広葉樹林の資産管理と木材流通」が2022年Good Design賞を受賞しました

https://www.g-mark.org/award/describe/54472

プロジェクトの主要メンバー

以下50音順
Arboreta合同会社 https://www.arboreta.co.jp/ 
 神戸大学名誉教授 黒田慶子
森林病理学,樹木組織学。ナラ枯れやマツ材線虫病の発病メカニズム,樹幹の水分通導などミクロな世界を研 究する一方で,予防医学の観点から里山や人工林の健康維持の研究を行ってきた。本プロジェクトには、里山植生及び木材利用の専門家として取り組む。
研究とプロジェクト化の背景は http://www2.kobe-u.ac.jp/~kurodak/mokuzai.html

・株式会社Andeco  https://www.andeco.co.jp/

弊社では、アナログ領域とデジタル領域を組み合わせた開発や総合的なサービス提供を得意としており、エリアマネジメント開発、建築企画、環境資源の三本柱で事業を展開。本プロジェクトでは、弊社開発のNFCチップやトレーサビリティシステムの導入によって、森林や木材の有効な資源活用を目指す。

・カリモク家具株式会社 https://www.karimoku.co.jp/

神戸大学大学院農学研究科森林資源学研究室 http://www.ans.kobe-u.ac.jp/kenkyuuka08/sigen/sinrin.html

・こうべ六甲山私有林研究会  https://rokkoforest.net/

・ SHARE WOODS http://www.share-woods.jp/

森から採れる木材の価値を再構築し、新たなデザインとして提案するウッドデザインのプラットフォーム「シェアウッズ」の運営。無垢フローリング等の内外装木質建材から家具や木製品等の商品開発及び販売。本プロジェクトでは、伐採した原木から製材、製作までのプロセス検証を担当。

信州大学 特任名誉教授 浅野良晴

木材トレーサビリティのテクニカルアドバイザー

お問い合わせ

国産広葉樹活用プロジェクト事務局

担当:西川

メール:info@koyoju.jp

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